孤独のグルメ Season2が放送されたのは2013年。Season1で確立した「ひとりで食べる、ひとりに集中する」フォーマットはそのままに、五郎の行動範囲はさらに広がった。川崎・横浜・群馬まで足を伸ばしながら、東京の下町・住宅街にも深く潜り込んでいく——11話分の食の記録がここに揃っている。
Season2 全話エピソードガイド
第1話|三ちゃん食堂(神奈川県川崎市新丸子)
Season2の第一歩は、神奈川県川崎市の新丸子エリア。五郎が入ったのは、昭和の雰囲気を色濃く残す大衆食堂・三ちゃん食堂だ。
メニューの幅が広く、定食から一品料理まで何でも揃う。五郎が頼んだのはみょうがの天ぷら・ネギ肉イタメ・海鮮春巻き・チーズ入りウインナーという、居酒屋とも食堂ともつかない自由な組み合わせ。「みょうがを天ぷらにするとはここは何でもありだな」という内なる独白が、Season2の幕開けにふさわしいゆるやかな高揚感を生んでいる。
川崎市中原区新丸子。東急東横線「新丸子駅」徒歩圏内。
第2話|天ぷら 中山(東京都中央区日本橋人形町)
Season2屈指の名エピソード。五郎が訪れたのは日本橋人形町の天ぷら専門店・天ぷら 中山だ。
五郎が頼んだのはめごち・はす・玉ねぎの天ぷら、そして締めに黒天丼。「黒」という名が示すとおり、濃いめのつゆが絡んだ海老の天丼で、カリッと揚がった衣と甘辛いタレのコントラストが五郎を唸らせる。人形町という江戸の食文化が今も息づくエリアでの天ぷらは、「こういう店が残っていてくれてよかった」という感慨を呼び起こす一話だ。
中央区日本橋人形町。東京メトロ「人形町駅」徒歩圏内。
第3話|平和苑(東京都中野区沼袋)
中野区・沼袋の焼肉店平和苑が第3話の舞台。住宅街の中にひっそりと構える店で、地元の常連に愛されてきた一軒だ。
五郎が注文したのはわさびカルビと卵かけご飯というシンプルな二品。わさびで食べる焼肉というユニークな組み合わせが視聴者の記憶に残る回で、「こういう食べ方があったのか」という驚きと、「当たり前のようにそこにある店」の静かな存在感が重なり合う。
中野区沼袋。西武新宿線「沼袋駅」徒歩圏内。
第4話|レストランブラジル 群馬県大泉店(群馬県邑楽郡大泉町)
Season2最大の異色エピソード——五郎が向かったのは、なんと群馬県大泉町。ブラジル系住民が人口の約15%を占め、「日本のブラジル」とも呼ばれるこの町に、本格ブラジル料理の店レストランブラジルがある。
五郎が注文したのはフェイジョアーダ(豆を使ったブラジル風もつ煮込み)、エスペトン・デ・ピカニャ(牛臀肉のシュラスコ)、コーベ(にんにく炒めちりめんキャベツ)、ソーセージ。初めて食べるブラジル料理に戸惑いながらも、次第にその豪快さにテンションが上がっていく五郎の様子は、孤独のグルメ史上最も「冒険的」な食事シーンのひとつだ。
群馬県邑楽郡大泉町。東武伊勢崎線「西小泉駅」徒歩圏内。東京(浅草)から約1時間30分。
第5話|キッチン友(神奈川県横浜市白楽)
横浜・白楽の洋食店キッチン友が第5話の舞台。住宅街に溶け込んだ、昔ながらの洋食喫茶だ。
五郎が頼んだのはスペシャル友風焼き・とん汁・ハムポテトサラダ。「スペシャル友風焼き」というオリジナルメニューの名前に惹かれて注文する五郎のくだりは、孤独のグルメらしい「店のユニークさを面白がる」視点が光る。横浜という都市の中にある、どこか懐かしい洋食の味を体感できる一話だ。
横浜市神奈川区白楽。東急東横線「白楽駅」徒歩圏内。
第6話|四川家庭料理 珍々(東京都江戸川区京成小岩)
江戸川区・京成小岩の四川料理店珍々が第6話の舞台。下町の路地に佇む小さな店だ。
五郎が注文したのは豚肉のニンニクダレかけ・麻婆豆腐・泡菜魚(パオツァイユー)、そしてメニューに載っていない裏メニューじゃがとろ(そぼろ餡がかかったマッシュポテト)。メニュー外の料理をさりげなく引き出す五郎のやり取りは、この回を象徴するシーンとしてファンに語り継がれている。
江戸川区京成小岩。京成本線「京成小岩駅」徒歩圏内。
第8話|割烹ちゃんこ 大内(東京都墨田区両国)
相撲の町・両国にある割烹ちゃんこ 大内が第8話の舞台。相撲部屋ゆかりのちゃんこ料理を提供する割烹店だ。
五郎が注文したのは鳥そっぷ鍋と締めのうどん。シンプルな鶏出汁のちゃんこが、両国という場所の重みと相まって滋味深い一食になる。「これが本物のちゃんこか」という五郎の静かな感嘆は、素材の力を最大限に活かす和食の真髄を言い当てているようだ。
墨田区両国。JR総武線・都営大江戸線「両国駅」徒歩圏内。
第9話|増英蒲鉾店(東京都江東区北砂)
江東区・北砂の蒲鉾店増英蒲鉾店が第9話の舞台。店頭でおでんも販売する下町の老舗だ。
五郎が選んだのは中華揚・しゅうまい巻・つみれ・はんぺん・ちくわぶとおでんを5品。蒲鉾屋ならではの練り物のラインナップに、五郎が「こんなに種類があるのか」と驚きながら次々と手を伸ばす姿が微笑ましい。下町の「普段の食」を描いたSeason2後半の佳作だ。
江東区北砂。東京メトロ東西線「南砂町駅」徒歩圏内。
第10話|田や(東京都北区十条)
北区・十条の小さな定食屋・田やが第10話の舞台。十条は昭和の商店街が今も続く東京の下町エリアだ。
五郎が頼んだのは鯖のくんせい・どんぶりしらす・ももハムとキムチという一品料理の組み合わせ。「くんせい」「しらす丼」という渋い選択が、十条という街の雰囲気とぴたりと合う。目立たない路地の小さな店に、確かな食の充実感があることを五郎がひとりで証明する一話だ。
北区十条。JR埼京線「十条駅」徒歩圏内。
第11話|ライカノ(東京都足立区北千住)
足立区・北千住のタイ料理店ライカノが第11話の舞台。Season2でもっともエキゾチックな食体験をもたらす一話だ。
五郎が注文したのはカラン(タイ野菜炒め)・ミンチ肉のタイ香草炒め・タイ東北ソーセージ・鶏のせ汁なし麺、そしてデザートにカノムトーイ(タイの焼き菓子)。北千住という下町にタイ料理の本格的な味があることへの驚きと、食べるにつれて増していく五郎の満足感がこの回の見どころだ。
足立区北千住。JR常磐線・東京メトロ千代田線「北千住駅」徒歩圏内。
第12話|お食事 樹(東京都三鷹市)
Season2最終話の舞台は三鷹市。五郎が締めくくりに選んだのは、住宅街の中にある定食屋・お食事 樹だ。
五郎が頼んだのはぶり大根・ナス味噌炒め・コロッケ・鴨とハーブ漬けという、和洋が入り交じった多彩な一品料理。シンプルな定食屋でありながら丁寧に作られた料理が静かに並ぶ最終話は、Season2全体を通じて食べ続けた五郎の「食への敬意」を改めて感じさせる幕引きになっている。
三鷹市エリア。JR中央線「三鷹駅」徒歩圏内。
エリア別まとめ
| エリア | 話数 | 店名 | アクセス |
|---|---|---|---|
| 川崎(神奈川) | 第1話 | 三ちゃん食堂 | 東急「新丸子駅」 |
| 都心(中央区) | 第2話 | 天ぷら 中山 | 東京メトロ「人形町駅」 |
| 中野区 | 第3話 | 平和苑 | 西武「沼袋駅」 |
| 群馬県 | 第4話 | レストランブラジル | 東武「西小泉駅」 |
| 横浜(神奈川) | 第5話 | キッチン友 | 東急「白楽駅」 |
| 江戸川区 | 第6話 | 四川家庭料理 珍々 | 京成「京成小岩駅」 |
| 墨田区(両国) | 第8話 | 割烹ちゃんこ 大内 | JR・都営「両国駅」 |
| 江東区 | 第9話 | 増英蒲鉾店 | 東京メトロ「南砂町駅」 |
| 北区(十条) | 第10話 | 田や | JR「十条駅」 |
| 足立区(北千住) | 第11話 | ライカノ | JR・東京メトロ「北千住駅」 |
| 三鷹市 | 第12話 | お食事 樹 | JR「三鷹駅」 |
Season2は東京23区の外(川崎・横浜・群馬)への遠征が3回あり、Season1よりも行動範囲が広い。特に群馬・大泉町(第4話)は日帰り聖地巡礼としてかなりの移動を要するが、「日本のブラジル」を体感できる唯一無二の体験として訪れる価値がある。
Season2の特徴——「冒険」が増えたシーズン
Season1が東京の下町・住宅街を中心に「五郎の食の哲学」を確立したシーズンだとすれば、Season2はその哲学を広い世界で試すシーズンだ。
- ブラジル料理(第4話)・タイ料理(第11話)という異国料理への挑戦
- 相撲の町・両国でのちゃんこ(第8話)
- 蒲鉾屋のおでん(第9話)という「食の形式」への着目
- 裏メニュー「じゃがとろ」(第6話)という店との偶然の出会い
Season1に比べてジャンルの幅が広く、初めて見る視聴者には特に「食の多様性」を感じてもらいやすいシーズンでもある。
聖地巡礼のコツ
訪問前に営業確認を。Season2の放送は2013年。10年以上が経過しており、閉店・移転している店舗もある。各店の食べログリンクから最新情報を確認してから出かけること。
群馬・大泉町は計画的に。東京から片道約1時間30分。日帰りで行く場合は午前中に出発し、レストランブラジルでランチを取って午後に帰る行程が現実的だ。大泉町内にはほかにもブラジル系スーパーや飲食店があるため、ついでに散策するのも楽しい。
両国は相撲観戦と組み合わせ。国技館のすぐ近くにある割烹ちゃんこ大内は、大相撲本場所(1月・5月・9月)の観戦と合わせて訪れると雰囲気が一層増す。